B u u k a

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日頃の鬱憤bu-kakka.

こんちわん。もう何年もこのブログを放置していました。
ちょっと、再開してみようと思います。[03.28.2016]
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夜中にふと目が覚めて、無視もできないほどに喉が乾いていることに気づく。重い身体を起こし、グラスに水を注ぐ。ミネラルウォーターが喉に染みる。そのすぐ左には、この小さいストゥディオ唯一の窓。近づくと、冷たい空気が肌をなめ、春はまだ遠いと思わせる。

 
ここから見える景色は、いかにもな洋風の歴史ある小洒落た小道。ふと、あー私はパリというところで生活しているんだな、と思う。不思議なもので、日常生活の中では、ここは麗しの華の都だなんて感じることはあまり無いのだが、稀に思い出したように再認識することがある。有り難みのないやつだ。そもそも、パリで生活をすることが私にとってそんなに有り難いことなのか…うん、きっとそうなのだろうし、少なくとも故郷に縛られることなく自由にできているのは幸せなことなのだ。今のところは。
 
明日はブラジルから遊びにきている友達と久しぶりの再会をする。本当は今日のはずだったのだけれど、恋人とケンカをしたかなんかで、待ちぼうけを食らった挙句にドタキャンされてしまった。でもまぁ、恋人に会うためにはるばるここを訪れたのだから、仲直りしてもらわなければ、私まで気持ちが暗くなるではないか。そんなことだから、ドタキャンなんてどってことないのである。あくびをしながら、レズビアン遠距離カップルも大変だなぁ、という具合で。
 
そんなことを、うつらうつらと考えていたら、いつまで経っても寝られない。悲しいかな、隣の部屋で朝まで飲み明かすような学生の隣人ほどはもう若くない。薄い壁を通して聞こえてくる話し声を子守唄に眠ることにしよう。こういうとき、話の内容がわかると煩わしいのだろうが、幸いわからないのでちょうどいい。フランス語がままならない外国人の特権である。
 
明日はインドカレーを食べながら友達カップルのゆくすえを聞き、粛々と仕事を済ませた後は、週末の準備をする。きっとそんな感じだろう。というのも、この週末にはリヨンへの小旅行が待っている。恋人の両親の家を訪問するのだ。はじめまして、アンシャンテ、である。なんてこった、ちっとばかし値の張るチョコレートでも持って行かねばなるまい。常日頃から寂しい財布がさらに寂しくなるけれど、それもまた一興…
 
時計の針が午前3時をさそうとしている。隣人の子守唄も止んでしまった。私の両瞼も、やっとこさ今夜の幕を閉じれそうだ。